植物の力

The Power of Plants

Vol1.
植物の有機の力と生活してみる。

アロマセラピー、フィトセラピー、オーガニックハーブ療法など、ここ数年、私たちの日常の生活の中で、この療法に関連する情報や商品にめぐり会う機会も多くなってきました。

植物はもともと他の動物とちがい歩けなかったがゆえに、折られたり、倒されたりする時に備え、花や葉、茎、根などに自分の身を守るためのつよい免疫作用、細胞再生作用、抗炎症作用など優れた力を内包している生きものです。

その植物の力を取り入れて、人々の心とからだを癒していく療法を1930年ぐらいから民間療法として体系化する人々がヨーロッパにて現れ、医療にも関わり急速に発展していきました。実は歴史の中では、1万年前ぐらいから人々は植物の薬効を意図してからだに用いていたことが遺跡の発掘などでわかってきています。

当時も手法としては、植物のいろいろな薬効効果のある部位を研究して取り出し、香りから、マッサージによる体内吸収から、温熱とともにと入浴時にエッセンスを入れる方法などが主流で、古代エジプト、古代ローマ帝国の時代から行なわれていて古代の人々は、植物の力が、人の心とからだ両方に作用することをよく知っていたようです。

抗菌作用や抗炎症作用の他に、現代に至っても科学をもっても発明できない細胞を若返らせる、皮膚を蘇生できることなどの究極のアンチチジング作用があることも王族たちは知っていて、エジプトでは、平均寿命が30-40歳の時代に、エッセンシャルオイルで日々からだをケアしていたといわれるラムセス2世が110歳、王族たちの寿命がなんと平均100歳以上であったことが、ミイラから検証されています。古代ローマ時代に入ると、王が威厳をもって民を制する時のつよさや活力として、人を誘惑するような魅惑の美しさを引き出す媚薬として、恋愛模様に使われ、日常疲れた心を落ち着かせるなど精神作用へと日常盛んに用いられていったことは驚くべきことです。

Vol.2
植物の有機の力と生活してみる。

ここ数年、書籍、インターネットの記事などに瞑想、マインドフルネスという言葉が日常の中に目につくようになりました。世界的にもスティーブン・ジョブス、ビル・ゲイツなどビジネスリーダーたちが実践者となり、またGoogle, Intel, Yahoo, 米系大手投資銀行なども企業研修として瞑想を積極的に取り入れ多くのビジネスマンがプログラムに参加しています。

瞑想と植物の有機の力を日々の取り入れるケアには実は共通点が多々あります。

瞑想とは、日常せわしくいろいろな物事に捕らわれている自分を解き放ち、目を閉じて座り、深く呼吸をして静かにリラックスする時間を創る。それだけでも瞑想といえます。雑念が入ればそれをゆっくり手放し続け何も考えずに静かに時間を過ごしていく。だんだんと副交感神経が和らいできて、大地に自分の足の裏が根づき、頭は空へつながっていく。自分という存在自体が、大地と空の間にいて多くの空から、地球からのエネルギーを吸収し自分の中で循環しているようなやすらかな感覚がめぐってきます。この循環の感覚、人は一人では生きていない。すべての行く年、生けるものたちすべてが宇宙という一つの一枚の布の一部であり、ひとつであり、めぐり合い、循環し合っているという感覚に気づき、そしてやすらぎを感じていく、この感覚は植物の力を日常に取り入れて自然と一体となるような感覚と共通していきます。

植物の力をからだに取り入れることにより、広い宇宙の中でその一部として活かされている自分に気づく。そのことにより深いリラクゼーションを得ていきます。
植物は、種として地球(母)の大地(子宮)に永らくとどまりそして外界に芽を吹き出し外気に触れ、歩けないがゆえに外の雨風嵐にもさらされますが空と大地の間で、動ける動物たちよりずっと外からのエネルギーを受け続け、世界でもっとも免疫力の高い生き物へと種が進化していきました。植物の素晴らしいことはそのようなつよさや免疫力を惜しげも無く他の生物に分け与えることができること。それゆえ何千年も人々は植物のそのつよい力を自分たちの心とからだに取り入れようとエッセンスを抽出したり、生薬にしてみたりと研究を続けたのです。植物の力とともに、大地と空と一緒に循環し、本来のつよさを取り戻し深いリラクゼーションが得られる。それが植物療法、アロマセラピーの原点であり瞑想の共通点でもあり、人の心とからだの健康の本髄となることです。一緒に行なうこともお奨めです。

Vol.3
植物の有機の力を生活に取り入れてみる。

アロマセラピーは、日常のライフスタイルの中に取り入れて習慣化することにより

心とからだがとてもゆたかになっていくセラピーです。基本の知識さえあれば、日々の生活に植物の力を取り入れ、心とからだの健康維持に役立てていけます。

アロマセラピーは、近代から、その芳香や天然成分に薬理効果があると認められた植物の花、草、茎、実、そして樹液、根から抽出される液状のエッセンスを鼻の器官から脳に送り込み刺激を与える香り-芳香のトリートメント、種オイルにブレンドしてオイルにてマッサージやバスタイムの沐浴などで皮膚からリンパ、血液内へと送り込む体内吸収によるトリートメントなどがあります。現代ではそのセラピーは欧州だけではなく世界各地、日本でも広く広まってきています。

もし精油を選ぶ時にどれがよいのかと思ったら、その精油の部位を考えてみるとよいでしょう。花は子孫という命を生み出すところだから、細胞再生をする若返りのオイル、葉は先端にあり、傷つきやすいから、痛みや神経に作用するオイル、樹木の幹の樹液や木片のオイルは、何年も生き抜いた樹木の胴体のつよい力をもっているはずだから免疫力や直感や第六感をもたらす精神性に働くオイル、オレンジなどの実から取れるオイルは、太陽をあびて明るさや元気をもたらすと、部位の本来もつ働きを想像してリンクすると大抵はその作用、効用が当てはまります。たとえばオレンジの木。花から抽出するオイル、ネロリは大変高価な精油ですが、美肌、細胞再生に、葉っぱのオイル、プティグレインは神経にやすらぎを与える働き、オレンジの実のオイル、オレンジスイートは、明るさ、快活さ、元気が欲しい時によき働きをと部位と作用がリンクして分かれています。

実はこの植物のエッセンスの働きとトリートメントは、文字のない時代から人々の生活の中で研究され、根づき、文献としても紀元前古代ギリシャ、古代ローマ帝国の医学書にも記載されています。伝説的にはキリストの誕生時にフランキンセンスやミルラが使われていたこと、シバの女王がソロモン王に精油を献上したことから多くの特権と貢物を得たこと、古代エジプトの王族たちだけではなく植物のオイルは延命、健康、美しさを保つ、威厳ある姿でいるためにと各国の歴史の文献、逸話の中で数々の精油が登場していきます。日本でも織田信長は伽羅の香料を運んだ者に一国の城の財を与えたと言われています。

精油は人の色気にもおおいに作用します。古代ローマ帝国では、人を誘惑する媚薬として盛んにオイルは使われ、色気をかもし出すオイルは現代でもアフロデイジアックという臨床名もつけられ、深く研究され、男女ともに色気を磨くことに精油が用いられています。

植物のエッセンスはもともと化学合成物質の大量生産で作られる薬品の研究開発のもとになる原本の希少なレシピですから、精油を日々取り入れることで、合成ではない生きた本物の力を心とからだに取り入れ、うつくしく豊かになれる機会を得ることになります。アロマセラピーをライフスタイルに取り込むことはこのうえなく贅沢であり、心とからだを豊かにしてくれるのでぜひ実践の価値ありのセラピーといえましょう。