アロマセラピーについて

About Aromatherapy

1.アロマセラピーの効能。

植物は現在、汚染が進む地球上でもっとも「免疫力」を持った生物と言われています。

植物はもともと地に根を張り、他の動物のように、外敵に襲われることがあっても自分で逃げることができない生き物です。

長い年月の中、植物は枝や茎が折られたり、蜂など昆虫により外から好ましからぬものを運ばれた時など危機に立ち向かえるよう自分の各部位に、消炎作用、抗菌作用、 細胞生成作用などのエッセンス(精油)を内蔵し身を守ってきました。

何千年の歴史の中、人々はこの植物のエッセンスの効能が人体にも移行でき、人間にもこの抗菌力や抗炎症作用が効くこと、傷の回復など細胞生成にも役に立つことなどを発見し、生活の中に取り 入れてきました。 これがアロマセラピーの原点です。
近代になると科学が進歩し、この植物の各部位のエッセンスを合成コピーする技術が生み出され 化学薬品ができました。西洋医学もこの化学薬品とともに発展してきましたが、その研究の基礎と なったものは植物と言えましょう。

なぜ今、この植物の効能をもちいるアロマセラピーが注目されるのか。
それは、現代生活において、化学物質の汚染、電磁波、有害紫外線、排気ガス、そして化学薬品の副作用と人々はかつてないリスクのある環境にさらされ、疾病に落ち入らないよう免疫力を自ら体内で高めることが必須となってきています。 「免疫力」を高める化学薬品というものは未だ現代医学において開発されていないのです。

免疫力とは何か。
人間は、自律神経、血液、リンパ機能を正常化することにより自らが病に立ち向かい回復する能力があると言われています。アロマセラピー療法が近年、体系化が進み医療の補完療法(代替療法)と なってきているのも、欧米では植物のエッセンスが、この人間の免疫力を高める効能があることに 着目しているからです。臨床を重ね、今では保健医療の扱いとしてアロマセラピーを受け入れている国々がヨーロッパでは 増えつつある状況で、日本でもその動きが着々と進んでいます。

2.アロマセラピーは「オイル」が決め手。

— 天然植物原料質へのこだわり

天然の植物と化学物質の薬はどのようにちがうのでしょう。 化学物質のある成分は、あることにしか効きませんが、たとえば、エッセンシャルオイルのローズ マリーは、ひとつの生きた個性でさまざまな働きをします。何ができるかというプロファイル(履歴書)をもっていて、融合する私たちの身体の状況に合わせ、さまざまな役割を演じてくれます。 ある人の個性が別の人の個性と交じり、新しいことを生み出していくようにエッセンシャルオイルと人との係わりには無限の広がりがあります。 ゼラニウムでも何百種も地球上に生息していますが、効能の優れたオイルは10種類にもみたないとされています。その中でもレユニオン島のバーボン種は、最高峰と言われ、身体のどの臓器にも オールラウンドに疲労回復の強壮剤として働きますし、スポーツで筋肉を傷めた人には、その組成とはりを戻し、ある時には女性で生理不順に悩んでいる人への改善の助けとなり、ある時には、精神的な不安で落ち込んだ状態の人の心の問題にも作用します。 植物は、人と同じように個性があり、融合する人々の状況に合わせ、それぞれの能力を多面的に 発揮する神秘さと汎用性を持っているといえましょう。

そこまで想像が及ばなくても、ワインのように同じ品種で、質にグレードがあり、生まれた産地、その時の太陽や土壌のちがいで個性や性格がでることを思い浮かべていただけたらと思います。 そのような植物の力をできるだけよい状況で心身ともに楽しむにはどうしたらよいのでしょう。アロマセラピーのオイルは、「生きている」-その質と鮮度にこだわることがたいへん重要です。 体内に入っていきますので、どのように安全に栽培され、管理されて日本に運ばれていてどのぐらいのライフがあるのかを知ることはとても大切です。 酸化してしまったオイルを身体に入れることは、オイルがどんなによい産地出身で高価でも、上等なしぼりたての牛乳でも、2週間後に飲んで身体に良い結果をもたらさないのと同じようなことです。 今まで、日本ではアロマセラピーオイルは「雑貨」として輸入され、輸送も品質管理の検査体制の 基準下に置かれることなく流通していました。
アロマセラピーオイルの欧州で普及する主となる使用方法-「生きた鮮度の高いものを直接、皮膚から吸収させ体内におくり込む方法」は、高温多湿の季節を有する日本において品質管理を行ってないオイルを体内に入れることにはたいへんリスクがありました。肌にオイルを直接つけず、鼻から吸い込み、精神を癒す「芳香治療」の方法が先駆けて普及していったのです。

3.調合者について。

— アロマブレンドオイルの調合者はオーケストラの指揮者です。

原材料の管理を徹底する業者を厳選するとともに、上質なオイルを創り上げる為には-「ブレンド力」が欠かせない大切な要素です。オイルの品質とその性格を見抜く経験ある調合者を選出することが高い効能をもったブレンドオイルを創造するキイファクターとなります。

植物は、現代の科学でも少しの部分しか解明できない神秘的な力に満ちています。植物の力は化学化合物の合成の1+1=2のような結果ではなく、個性あるオイルの性質と能力が合流すると1+1の答えが3倍にも4倍にも相乗する可能性を秘めています。 調合者は、ブレンドに参加するひとつひとつのオイルの効能、特性に深い知識を持ち、それらの資質を見抜く力があること、どのようにチームメンバーの力を結集させ、能力を発揮させるかが、上質の 作品を創り上げるたいせつな鍵となります。まるで人間を取りまとめるような役割ですが、その能力により、高品質なブレンドオイルが生み出されると言えましょう。